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エリオットの成長日記。
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  絵師に描かせたらこうなりました。詐欺、インチキとか言わないで下さい。

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【ビヴァーチェさん、アイクさん】

聖堂で聖書を読んでいたら、とても大人しそうな女の子、ビバーチェさんが礼拝にきた。
銀色の髪をしていて、まるで月の色だった。
特別な事情があって、手が変色したりして大変そうだった。
その手をアイクさんという方が、治療しようとしていたけれど、
駄目だったみたい。
アイクさんは、色々な仕事をされていて、孤児院でもお手伝いしているそうだ。
今度、子供の遊びを教えてくれると言っていた。
僕は遊びを良く知らない。同じ頃の子供達と遊んだ記憶はあまりないから…。
勉強も家でしていたし。遊び相手は、兄上か犬や馬だったなぁ。

アイクさんとビバーチェさんはまるで親子みたいに仲良し。
でもビバーチェさんは見かけによらずお転婆みたい。色々な遊びを知っていた。

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【サフィさん】
ゾディアックの襲撃後、めちゃくちゃになってしまった聖堂。
少しでもお役にたてればと、床掃除をする。
襲撃中、僕は結局一歩も外に出してもらえなかった。
予告があった時、セバスチャンが母上に連絡したのだ。仕方ない事だけれど……。
すぐに祖国へ戻りなさいと言われたのだけれど、頑なに拒んでしまった。
その代わり送られてきたのは、護衛士3人だった。
これからずっといるみたい。抜け出すのは困難になる。
それでも無理を言って、馬車を出してもらった。

そこでサフィさんと出会う。

言い訳をするつもりではないけれど、以前お会いした時と髪の毛も随分短くなっていて、
雰囲気が違ったのもあって、不覚にも僕は最初サフィさんと気づけず、
自己紹介までしてしまった。でも、サフィさんは僕の事をしっかり覚えていてくれた。

今僕は今までに感じた事のない迷いの中にいる。
ほんの少し前まではあまり考えた事もなかった事をあれこれ考えてしまう。
父上の言葉が一番重いのだけど、
サフィさんと出会って、一層重い事実がわかってしまった。
サフィさんは、以前大切な人とお別れしたみたい。
その大切な人というのは、奇しくも騎士で、サフィさんを置いて違う国に行かれたみたいだ。
辛い別れだったのだと思う。その話をしている時、サフィさんの表情は何ともいえないものだった。
その人の事を愛していたのか、とか今は幸せなのか、とか…
聞きたい事はいっぱいあったけれど、怖くて聞けなかった。

置いていかれるのは辛い。別れは辛い。
哀しい思いをさせるのは罪。でもサフィさんは赦すといっていた。
何て優しい方だろう。
僕もこの街でいくつか別れを経験して、泣いたこともあるけれど、
自分が逆の立場になるのは嫌だ。

そうだとしたら…
どうすれば良いのかな。ますますわからなくなった。

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【キーさん、ピエトロさん、エリオット、ペルルさん】

例の事件で亡くなった者達への弔いと、これから起こる事への御加護を祈った。
随分長い時間をかけて祈っていて、気づいたら聖堂内に人がいた。
大怪我をしたキーさんに、それを癒すピエトロ神父様。
それから程なくして、ピエトロさんと仲が良いペルルさんもやってきた。
ペルルさんとお会いするのは二度目で、とても安心する穏やかな時間が過ぎた。
ピエトロさんは筋肉が大好きみたい。筋肉の何が好きなのかな。逞しいから?
確かに、キーさんは冒険者さんですから、逞しいでしょう。
ペルルさんも男らしい頼りがいのある雰囲気だし………。
……(インクの跡)
今思ったけど………
筋肉というより、男性の事が好きなのかな。
ピエトロさんは実は女性?


あまり考えない様にしようっと。

それから、大怪我で辛そうなキーさんを、ペルルさんと一緒に街まで送った。
ゆっくりだったから、1時間位かかった。
送り届けて、家に戻る途中、広場の前を通りかかったら、大きな声が聞こえたので慌てて駆けつけた。

【セリスさん、ショーシャンナさん】
誰かが襲われていた訳ではなく、セリスさんがショーシャンナさんという方とお話されているだけだった!
でも、勘違いのおかげでまたセリスさんにお会いできた。
ショーシャンナさんは、深く悩み苦しんでいる様だった。
彼女は、娼婦だという。それも、好きでその道にいる訳ではないみたいで…
深い事情を抱えているみたいだ。
何とかして抜け出して欲しい。セリスさんと僕で色々な道を考え、説得したけれど、
ショーシャンナさんが強い気持ちを持たなければどうにもならない。
彼女をお金で開放する事は、僕にはできる事だけれど…
例え僕の財産とはいえ、父上と母上のお金だし……使えない。
嘘をつけば頂けると思うけど…とてもできない。
できるのに、できない。凄く葛藤した。
セリスさんが、遺跡で宝を発見してそのお金で救いたいという。
セリスさんは本当にまっすぐで暖かい人だ。
僕も手伝いたい。

手をつないで帰った。暖かい気持ちになった。
民と一線を引けという、父上の言葉が僕の心を締め付ける。

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【セリスさん】
港で、勇者を目指すセリスさんと、犬のサラに会った。
居住区に住んでいるという。今までもきっと会った事がある。

明るくて、元気で…塞ぎ込んでいた僕の気持ちを奮い立たせてくれる様な、そんな方で…
話しているうちに、凄く不思議な気持ちになった。それが何なのか、僕にはわからない。
ただ嬉しいのとは違う…何か………
抱き締められた時に、困った様な戸惑うような…それでいて、どうしようもなく嬉しい気持ちになった。
ただの挨拶なのに、意識してしまったのは何故だろう。

それと同時に、あの軍団が心の底から怖いと思った。
大切な人を傷つけたらどうしよう。今目の前で笑っているセリスさんが消えてしまったら、と…
ただ怖がるなどごめんだ。僕は戦う。

父上は言った…がぁらに愛着を持つなと。お前の祖国はここだともいわれた…。
人々との触れ合いも、一線を引きなさい、と。
そうしなければいけないとわかっているのに、僕の心はがぁらに惹かれるばかりだ。

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