★エリオット...★カッシア...★クロエ...★チャレンジ...★メイアール...★影...★プロント
最後に覚えているのは、吸血鬼に聖水を振りかけた所だ。
その後の事はほとんど覚えていなくて、目覚めたら聖堂にいた。
身体中痛いし、熱が出ているのか、とても暑いし…パニックになってしまった。
カッシアさんというシスターがずっと付き添っていてくれたみたいで、
その姿はもう本当に神々しく、泣いてしまいそうだった。
それから、クロエさんとメイアールさんが様子を見に来て下さった…。
三人の姿を見て、僕は生きて帰れた事を実感したのと同時に、
僕を助けてくれた方は大丈夫だったのかと不安になる。
懺悔室に行こうとしていたチャレンジさんは、僕に遠慮したのかな…
申し訳ない気分…。
クロエさんは水を飲ませてくれたり、手を握ってくれたり…
メイアールさんは僕にお薬をくれたり…キスしてくれたり…
カッシアさんは治癒力を高める術を施して下さった…
皆さんありがとう…。
途中から影の声が聴こえて、また吸血鬼が来たのかと怖かったけれど
違ったみたい。自分の存在を探しているのだって…
河童になるのかな。
暫く僕は聖堂と家の行き来しか、できないかもしれない。
これ以上心配かけると、本当に祖国へ強制送還されてしまう!
【ビヴァーチェさん、アイクさん】
聖堂で聖書を読んでいたら、とても大人しそうな女の子、ビバーチェさんが礼拝にきた。
銀色の髪をしていて、まるで月の色だった。
特別な事情があって、手が変色したりして大変そうだった。
その手をアイクさんという方が、治療しようとしていたけれど、
駄目だったみたい。
アイクさんは、色々な仕事をされていて、孤児院でもお手伝いしているそうだ。
今度、子供の遊びを教えてくれると言っていた。
僕は遊びを良く知らない。同じ頃の子供達と遊んだ記憶はあまりないから…。
勉強も家でしていたし。遊び相手は、兄上か犬や馬だったなぁ。
アイクさんとビバーチェさんはまるで親子みたいに仲良し。
でもビバーチェさんは見かけによらずお転婆みたい。色々な遊びを知っていた。